ココナッツと共にある暮らし 〜マレーシアでは「流行」ではなく「日常」です〜 🌴
- Ezlyna
- 6月25日
- 読了時間: 3分
近年、ココナッツオイルは健康志向の人々の間で注目され、美容ルーティンやバターコーヒーなどに使われる“万能オイル”として、世界的に人気が高まっています。しかし、マレーシア、特に村や地方の暮らしでは、ココナッツは「スーパーフード」ではありません。ごく自然に、日々の生活に根付いています。
🌴 使い道は無限大、まさに「命の木」
ココナッツの木(マレー語で pokok kelapa)は、多くの文化で「命の木」とも呼ばれています。マレーシアでは、その名にふさわしい存在です。木のほぼすべての部分が、何らかの形で活用されています。
果実は、ココナッツウォーター、ココナッツミルク(サンタン)、オイルになります。
果肉は、kerabu(ココナッツサラダ)、serunding(スパイシーなココナッツふりかけ)、kuih-muih(伝統菓子)などの料理に使われます。
サンタンは、nasi lemak(ナシレマ)やgulai(グライ)などの定番料理に欠かせません。
殻は、たわしや火起こしに使われます。
葉は、ketupat(米料理)の包みや屋根材になります。
幹は家具や建材に、根は伝統医療で使われることもあります。
こうした暮らし方には「サステナブル」などのラベルはありません。それが、ずっと昔からの「ふつう」なのです。
🧴 台所から美容まで ココナッツオイルのある暮らし
西洋では、ココナッツオイルがヘルスケアやスキンケアの「流行アイテム」として注目されています。しかしマレーシアの多くの家庭、特に田舎の暮らしでは、minyak kelapa(ココナッツオイル)は昔から当たり前の存在です。料理用としてだけでなく、日々のケアにも広く使われています。
子どもの髪を強く健康に保つためのヘアオイルとして
乾燥肌や蚊に刺された箇所の保湿・ケアに
軽い切り傷や肌の炎症を落ち着かせるために
多くの人が、キッチンで作る自家製ココナッツオイルの香りを覚えています。温めた黄金色のオイルは、再利用したガラス瓶に丁寧に注がれ、棚に並べられていました。
🍛 味のベースとしてのココナッツ
Rendang(ルンダン)やkerisik(炒ったココナッツ)など、ココナッツは単なる油ではありません。味の基盤でもあります。サンタンはgulaiやlontongにコクを与え、すりおろしたココナッツは、生でも炒っても、野菜に旨みを加えてkerabuやulam(ハーブサラダ)になります。
ココナッツウォーターも、単なる飲み物ではなく、暑さを和らげる伝統的な方法のひとつです。
🇲🇾 受け継がれる日常の知恵
ココナッツ製品が世界的に人気を集める今も、マレーシアの特に地方の人々は、その価値をずっと知っていて、自然に使い続けています。「オーガニック」や「ゼロウェイスト」といったラベルは必要ありません。それは、文化や土地に根ざしたごく当たり前の暮らしだからです。
新しいブームではなく、ずっとそこにあるもの。それが、マレーシアでのココナッツとの関わり方です。
マレーシアンリンクは、こうした静かで意味のある日常の知恵を大切にし、伝え続けています。それは、土地とのつながりだけでなく、文化や知恵、暮らしの姿そのものです。
健康ブログでココナッツオイルが取り上げられているのを見かけたら、思い出してください。それは一部の人にとっての「流行」かもしれませんが、多くのマレーシア人にとっては「日常」なのです。
ココナッツの木とケラブ 📷:ダヴィナ







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