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地味だけど大切なケトゥパット:ラヤの象徴以上の存在 🌙🍚

  • 執筆者の写真: Ezlyna
    Ezlyna
  • 4月17日
  • 読了時間: 3分

ハリ・ラヤは、公式にはたった1日のお祝いかもしれませんが、正直なところ、マレーシアではその喜びが1か月ほど続くこともあります。オープンハウスやオフィスでの宴会など、この時期は人とのつながりを再確認し、笑い合い、そしてもちろん、美味しい料理を存分に楽しむ時間です。


そんな賑やかな食卓の中で、ひっそりと存在感を放っているのが、素朴なケトゥパットです。


食べられる飾り?と思ったら…

マレーシアに暮らす外国人の方々にとって、ケトゥパットはリボンやヤシの葉で作られた飾り袋のように見えるかもしれません。ラヤの時期にモールや家の玄関に吊るされることも多く、まるでデコレーションのように見えるでしょう。しかし、実はこれ、食べ物でもあるのです。


ケトゥパットは、ヤシの葉で編まれた袋に米をぎっしり詰め、鍋で茹でて米が袋いっぱいに膨らむまでじっくり火を通したものです。調理後は、コンパクトで歯ごたえのある餅のようになり、スライスして、レンダンやサテ、セルンディン、クアカカンなど、ラヤ定番の料理と一緒に提供されます。濃厚でスパイシーな料理と相性抜群の、欠かせない一品です。


単なる飾りではありません

ラヤ期間中に見かけるリボン状のケトゥパットの飾りは、本物を模した装飾です。葉の種類や使う米によって、「ケトゥパット・パラス」や「ケトゥパット・ナシ」などのバリエーションがあります。もち米を使った三角形のものや、普通の米で作る四角形のものなど、地域によって形やスタイルもさまざまです。


袋を編む工程も、一種の伝統工芸といえるほどの技術が必要です。若いココナッツの葉を使い、手作業で丁寧に編んでいきます。年配の方々が手際よく美しい袋を仕上げる姿は、まさに熟練の技。多くのマレーシア人にとって、ケトゥパット作りは食べ物以上の意味を持っています。ラヤ前夜に家族と床に座り、おしゃべりをしながら一緒に編んだ、そんな時間が大切な思い出として心に残っているのです。


シンプルだけれど深い象徴

マレー文化において、ケトゥパットは実用的なだけでなく、象徴的な意味も持っています。ぎっしりと詰まった米は「団結」や「一体感」を表し、ラヤの精神そのものを象徴する存在です。また、編み込まれた模様は人生の複雑さを表現しているともいわれ、それらを包み込むケトゥパットは、「祝福」と「許し」の象徴と考えられています。


自分で体験してみませんか?

ラヤの時期にマレーシアにいらっしゃるなら、ぜひオープンハウスの招待を受けてみてください。ケトゥパットが食卓に並ぶことは、まず間違いありません。また、もし何か体験的なことをしてみたい場合は、自分で作ってみるのもおすすめです。


マレーシアンリンクでは、地元コミュニティと協力しながら、伝統的なケトゥパットの編み方や調理法を外国人の皆さまにも紹介しています。味わうだけでなく、文化を体験する素敵なきっかけになります。


小さな一品に込められた想い

初めてのラヤでも、何度目かのラヤでも、ケトゥパットは「食べ物」「家族」「分かち合いの心」を表現する、深い意味を持った存在です。


次にケトゥパットを手に取る機会があれば、その味わいとともに、込められた物語や想いも感じていただければ嬉しいです。シンプルな見た目の中に、マレーシア文化の温かさとつながりがしっかり詰まっています。

📷: ハピズ ロスリ

 
 
 

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